サッカーの試合をDAFO(SWOT)分析スペインサッカーコーチングコース・レベル2で、試合の分析方法を学びました。レベル3のメソッド論の授業では、さらに「試合のどこに焦点を当て、分析するのか」「その分析した結果からどのような対応策、解決策があるのか」「解決策を実行するためのトレーニングメニューをどのように作成するのか」を学びました。
DAFO(SWOT)分析日本では「SWOT分析」と言って、主にビジネスシーンで使われる分析方法だと思います。ここではスペイン語のDAFOで書きます。
D(Debilidad:弱み):内的要因(自チームの弱いところ)
A(Amenaza:脅威):外的要因(相手チームの強いところ)
F(Fortaleza:強み):内的要因(自チームの強いところ)
O(Oportunidad:好機、チャンス):外的要因(相手チームの弱いところ)上記の4つを念頭に置いて、試合観戦しながらメモを取ったり、ビデオで録画した映像を分析ソフトを使って詳細に分析します。私たちのクラスでは、バルサのトレーニング施設に行き、バルサ・フベニールA(19歳以下)対エスパニョール・フベニールAの試合を観戦し、メモを取りました。バルサのスカウティング担当者から、その試合の録画したビデオをもらって詳細に分析しました(バルサのスカウティング担当者は前にコーチングスクールで教えていたので、私たちのクラスの先生と友達でしたし、私たちも彼から教わったことがありました)。何をどのように分析するのか
DAFO分析から1つを選択します。例:(Amenaza:脅威):外的要因(相手チームの強いところ)「どのプレー状況で、どこで、誰が、何を、どのように行っているのか」を具体的に分析します。分析を始める前に「プレーの状況における行動13項目」を書いておきます。局面:攻撃モーメント:組織的攻撃行動:
1. ボールの出口(zone 1からzone 2へボール運ぶ。ボールの出口を探す)
2. プレーの前進(ボールをzone 2からzone3へパスかドリブルで運ぶ。ハーフラインを超える)
3. ダイレクトプレー(自陣DFラインやGKから浮き玉で相手コートにいるOFラインの選手にボールをパスするプレー、相手DFラインの背後を狙うプレー。中盤を経由しない)
4. ファイナルゾーンの攻撃(相手コートzona 4で行われる攻撃)モーメント:守備から攻撃への切り替え行動:
5. カウンターアタック
6. 攻撃の再構築局面:守備モーメント:組織的守備行動:
7. ボールの出口への守備
8. プレーの前進への守備
9. ダイクレクトプレーへの守備
10. ファイナルゾーンの守備モーメント:攻撃から守備への切り替え行動:
11. プレッシング
12. 後退
13. プレッシングと後退(例:OFラインの3人、4人で相手にプレッシャーをかけて、DFラインとピボーテは後退する)※「プレッシング」「後退」「プレッシングと後退」は、攻守の切り替えの場面でしか存在しません。・4つのモーメント:組織的攻撃、組織的守備、守備から攻撃への切り替え、攻撃から守備への切り替えモーメント:組織的攻撃、組織的守備プレーの状況: 例(攻撃)プレーの前進 (守備)ファイナルゾーンの守備 1. どこのゾーンからプレッシャーをかけているのか(例:グランドを横に分割して、自陣からzone 1, zone 2 zone 3 zone 4) 2. マークの種類(マンツーマン、ミックス、コンビネーション) ※ミックスディフェンスとは、自身のゾーンに入ってきた相手選手をプレーが途切れるまで、マークします。 ※コンビネーションディフェンスとは、例えば、ゾーンディフェンスとマンツーマンの併用等です。 3. 攻撃の構造(フォーメーション例:4−3−3、4−4−2) 4. 守備の構造(フォーメーション例:4−1−4−1、4−5−1)モーメント:守備から攻撃への切り替え、攻撃から守備への切り替えプレーの状況:例 (攻撃)カウンターアタック (守備)プレッシング 1. どこのゾーンでボールを失ったか/取り戻したか(例:zone 1, zone 2 zone 3 zone 4)。 2. どこのレーンでボールを失ったか/取り戻したか(例:グランドを縦に分割して、センター、左サイド、右サイド) 3. スペース ・どこのラインでボールを失ったか/取り戻したか。例:MFライン ・MFラインのどのポジションの選手がボールを失ったか/取り戻したか(例:ピボーテとMFインテリオールの間)。 4. プレッシャーがあるか、ないか(例:ピボーテがボール保持者にプレッシャーをかけ、ボールを取り戻そうとしている) 5. オフェンシブ・ポジション(Disposición Ofensiva)。守備時にOFラインの選手が攻撃への準備をするためのポジションを取る。 6. 攻撃時のフォーメーション:例 4−3−3ここまで、一通り「どのプレー状況で、どこで、誰が、何を、どのように行っているのか」洗い出します。その上で、例えばAmenaza(自チームにとって脅威になること、相手チームの強いところ)を分析します。例:相手チームのトップ下が自チームのMFとウイングとの間のスペースの「ライン間」でボールを受けてシュートまで持ち込むプレーが何回もある。ここで大切なことは、Amenazaを1つか2つに絞ることです。もっとも多いAmenazaを分析し、そのプレーに対しての対応策を考えます。対応策をどのように考えるかは次回に書きたいと思います。
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